ご予約・お問い合わせ
Access & 受付時間
月曜日
9:00 - 21:00
火・水・木曜日
18:00 - 21:00
土日
9:00 - 21:00
緊急受付 24時間対応
すぐに出ない場合は留守電にお名前とご連絡先を残して下さい。
後ほど折り返しいたします。
受付時間
Access & 受付時間
事例紹介
友人関係で悩んでいたAくん(10代)の場合
友人関係で悩んでいたA君、学校に行きづらくなっていました。
カウンセリングルームのマンションの玄関はオートロック、約束の時間に玄関前で待っていました。不安そうな顔つきの彼に「A君ですか?カウンセラーの栗原です。」と挨拶するとニッコと笑ってくれました。「よろしくお願いします。」とのさわやかな挨拶。
エレベーターで8階まで上がり、カウンセリングルームに。
リラックスできるように、身体が沈まないソファに腰枕を当ててもらい、インテイク(相談者がどういう相談内容を抱えていて,その主訴の背景にある問題は何かということを明らかにするための面談)を始めました。
「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる。」というアドラー心理学に基づいたオーセンティックカウンセリングの主旨や技法を説明し、カウンセリングを始めました。
「言いづらい事は言わなくても良いです。」とA君に伝えました。
「仲良くなった友達が離れていくようで、学校に通いづらくなった。」という彼の言葉に耳を傾けながら、その背景にある事を聞き出していきました。
「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである。」というアドラーの言葉を引用しながら、さらに話を聴いていきました。
父親は行方不明。兄弟はいない。お母さんが、朝から晩まで、二つの仕事を掛け持ちしながら、働いていること。アルバイトは、今、していない事。
「過去の悲しみや苦しみがトラウマになって今の行動にあらわれるというのをフロイトなどの理論を原因論というのですが、アドラーはトラウマ自体を否定しています。」と言うと驚いた顔つきをしました。
「タイムマシーンに乗って、過去を変えに行くことができますか?過去の悲しみや苦しみを打ち消そうとすればするほど、それにとらわれてしまうのです。」
「落胆・心配・悲しみ・寂しさ・傷つきなどをアドラーは一次感情と言っています。それは消せない、消えない、変えられないのです。新しい思いを創ることによって、一次感情は小さくなっていきます。たとえば、A君がゲームに夢中になっている時は、嫌な事は忘れていますよね。」
A君は小さくうなずきました。
「人は過去の原因によって突き動かされるのではなく、今の目的に沿って生きているのです。」と言うと、A君は首をかしげました。
「アドラーは怒るのは第二次感情と言っています。人間が怒るのは、実は原因があって怒るのではなく、相手を支配する為なのです。」と言うと目をまるくして、不可思議そうな顔つきになりました。
「怒りはその時の感情です。自分より弱い相手、つまり支配できそうな相手には怒る事はできますが、自分より強い相手には、その人の前では怒ることはできません。君が歩いている時、ヤクザのような怖そうな人が故意にぶつかってきたら、その人に怒ることができますか?」と聴くとA君は頭を横に振りました。
「アドラーは、劣等感はすべての人間にあり、目標を完遂するための活力である。」と言うと、A君の顔つきが変わりました。
「カウンセリングとは、自分の未来の目標を明確にすることです。その目標に向かって行動すれば、ストレスは生じない。未来の目標を明確にするために、共に考えていきましょう。」
「カウンセラーができるのは、君の背中を少しだけ押す勇気づけ。どのような目標に向かって生きていくか、それは君の人生であり、君にしかできないことだよ。」と言うとA君は安心したような顔つきになりました。
その後、A君は、何回かのカウンセリングで生きづらさを克服し、学校を卒業、今、自分の目標に向かって、着実に進んでいます。
「変われないのではない。変わらないという決断を自分でしているだけだ。」アドラー。
